太陽系近くに「未知の巨大天体」が存在?
2010年12月 1日
Lisa Grossman
過去100年分に及ぶ彗星のデータを分析したところ、太陽系の最外縁部に「木星サイズの質量を持つ天体」が存在し、それが地球へ向けて彗星を飛ばしていることを示唆する結果が得られた。
ルイジアナ大学の惑星科学者、John Matese氏と同僚のDaniel Whitmire氏は1999年、太陽には未発見の伴星があり、それがオールトの雲(太陽系の外縁部に球状に広がるとされる仮説的な小天体群)にある氷の塊を内太陽系に向けて飛ばしているものが、彗星として観測されているのだとする説を唱えた。
この説は、ギリシア神話の恐ろしい女神の名にちなんで『ネメシス』と呼ばれる暗い褐色矮星または赤色矮星が、約3000万年ごとに地球に彗星の雨を降らせ、生物の大量絶滅を引き起こしているという説に対応するものだった。しかしその後の研究では、地球における大量絶滅の周期はネメシスに関する予測と一致しないことが示唆され、現在では研究者の多くが、ネメシスの存在には懐疑的だ(日本語版記事)。
Matese氏とWhitmire氏は今回、1898年までさかのぼる観測データを新たに分析した結果、当初からの説を一部裏付ける証拠を得た。それは、地球から観測できる彗星の約20%が、遠方にある未知の1つの天体によって送り込まれていることを示すものだという。つまり、地球に害をなす死の星ではなく、より小規模で穏やかな天体が、オールトの雲から地球に向けて彗星を送り込んでいる可能性が浮上したのだ。彼らはこの天体を『テュケー』と呼んでいる。ギリシア神話の幸運の女神で、ネメシスと結び付けられる存在であるテュケーにちなんでのことだ。
つづく

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